ジェイソン、根性で2006年を締めくくる黒帯 来年へつなぐ

2006.12.24 大道塾年末昇段審査

満身創痍! よく頑張った!
満身創痍! よく頑張った!

年末恒例の昇級、昇段審査。今年は支部審査で大半が受け終わったため、最後に残されたのは黒帯にチャレンジするジェイソン・アンゴーブ(1級)。
実力とポテンシャルは誰もが認めながら、本番に弱いことも事実。
過酷な連続組手による審査に耐えられるのだろうか。
最近の試合では結果が出ていないだけに、周囲にも不安が漂う。

大道塾の黒帯は、連続組手の結果で取得できるかが決まる(20代は10人、以降年齢により減数)。 35歳になるジェイソンの相手は8人。
内訳は、空道ルール(寝技あり)2、格闘空手ルール(寝技なし)2、基本ルール(顔面への手の攻撃禁止、組み技なし)4。
さらに、合格ラインは6割以上の勝率(勝1、分0.5、負0で換算)
武道全体を見通しても、これだけ厳しい条件で初段に挑む例は少ないだろう。

基本、移動稽古を終え、いよいよ連続組手スタート。
一人目は昇段受験組同士。ジェイソンは長身の相手に、下がってしまう展開となる。これではいつもの二の舞かと思われたが、意外にも首投げからリズムを取り戻し、テンカオ、ハイキック、バックスピンキックと”ジェイソンらしい”展開に。
ドローだったが、自分のリズムはつかめたかたちだ。その後も押される場面はあるが、大技でプレッシャーを与えて2人目3人目は勝ち、最終はもつれて印象がよくなかったか、星を一つ落としてハーフタイム(2分)。

「ここからが勝負」と応援の吉祥寺勢も緊張感が高まる。普段行わない基本ルールに入るからだ。大道塾では5級以下対象のルールのため、茶帯(2級以上)になるとブランクが空いているケースが多いのである。
やはり思い通りに攻められないジェイソン。1人目は分けるが、2人目では痛い負け。しかもローキックが効いてダウンを喫してしまう。
吉祥寺の応援も必死さが増す。「根性」「気合」「負けてもいいのか」など、普段の試合と比べても怒号的な声が飛んだ。それだけ、ジェイソンが厳しい展開を強いられたことへの緊張感が高かったと言える。「このままジリ貧か...」と思ったセコンドもいたと言う。
しかし、ジェイソンは声援に応えた。
明らかにスタミナもダメージも限界を超えているが、気合のこもった反撃を見せ、時折バックスピンなどの大技を繰り出す場面も。結果、最後の2人を1勝1分けで終えたため、合計ポイントは6割。
黒帯ジェイソンが誕生した瞬間である。
終了直後、よろめきながら礼を終え、帰ってきた、今にも倒れそうなジェイソンを抱き止める奥さんの姿があった。思えば、春の大会こそ白星スタートだったが、その後ハードに練習しても結果が出ない状況が続いた。ずっと傍で支えていた奥さんには、黒帯がもっとも嬉しいクリスマスプレゼントになったのではないだろうか

今年をいいかたちで締めくくったジェイソンと吉祥寺道場。
来年は、末廣の空道復帰、ジェイソンの全日本挑戦と、更なる高みへ挑み続ける。

応援も含めてパチリ
応援も含めてパチリ